野良猫集団に関する最大の要因は生息環境の損失である. そのため、野生猫や家猫の生息域の大きさを、その特徴(植生、標高、人里への近さなど)と共に評価することが必要である。 1989年から1993年の間に、合計16頭のヤマネコと19頭の家猫が捕獲され、無線首輪が装着された。 その結果、4頭のヤマネコと3頭の家ネコの無線標識を解析することができた。 その結果、ヤマネコは家猫よりも大きなホームレンジを占めることが判明したが、例外もあった。 また、両種ともホームレンジの大きさには大きなばらつきがあった。 オスはメスよりも広い範囲を占有していた。 これは、繁殖のためにオスがメスの生息域に迷い込むことが原因であると考えられる。 また,オスの生息域の重なりは,メスよりも大きかった。 しかし、コアエリア間の重複は非常に小さかった。 また、同じ場所を同時に利用するネコはいなかった。 このことは、ネコのホームレンジが空間的・時間的にしか存在しないことを示している。 また,孤独な動物ではあるが,オス同士の上下関係が存在することが示唆された
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